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私を愛したモノなど

第3章 2 暖かな黒の中で



私の事はもうこれ以上無いというほど話したので、今度はハイデス様の事を教えて貰うことにしたのだが、君に俺の事を知って欲しいと言われた時は思わずドキドキした。
こういうことさらっと言えちゃうのってずるいと思う。例えその気がなくても、だ。

ハイデス様はなんと騎士団の団長様でした。とはいっても私にはその凄さがよく分からないけれど、騎士団には名誉職派と実力派があって、所謂実力派集団のトップ、とのこと。

「それって、国で一番強い人、ということですか?」

「いや、俺よりも遥かに強い人は存在する。上を見れば俺なんて大したことは無い。」

そう言いながら笑っているけれど、凄い人にお世話になってしまったのかもしれない。
この世界で一番強い人間は国王様など地位の高い人達らしい。

大昔は違ったらしいが、今は力で魔物から国を護る必要があるから、一番魔力を持った人が王様になる事がほとんどとのこと。
魔力は遺伝するから結果的に王家は変わらず何代も続いている。

そこで少し気になっていた事があった。
ハイデス様って、何歳なの?
見た目でいうと、恐らく25~28。それなのに何だか威厳がありすぎるのだ。
そして私の違和感は的中する。

「あの、ハイデス様はお幾つでしょうか?」

「珍しいことを聞くな……歳か、そんなもの最近数えていないな。」

思わぬ答えに目が点になる。
それに続いた答えで空いた口が塞がらなくなったのだ。

「両親が亡くなったのは60過ぎだったから……120くらいか。」

え、どういうこと?

「今年で126歳で御座いますよ、ハイデス様。」

そう言ったのは新しいお茶と菓子を持ってきてくれた執事さんだ。
あぁ、そうだったか。なんて軽く言うものだからもう訳がわからない。
私のなけなしの記憶?では平均寿命は80とかだった筈だし、120歳越えというだけで訳が分からない。

混乱している私に、ハイデス様が驚いた様子を見せる。

「まさか、それも知らないのか?」

どうやらこの世界は魔力が強いほど長生きらしく、平均寿命という概念は存在しないらしい。
どうりでメイドさんや執事さんに若い人が多い訳だ。

そこで改めて認識する。
私はこの世界の人間じゃない。
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