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私を愛したモノなど

第3章 2 暖かな黒の中で


笑ってくれるハイデス様に頭が上がらない。
助けてくれるのは嬉しいけど、攻撃なんてダメでしょ!と小さく卵に声をかけたら何だかシュン、としたように見えた。

そして、その後はもう質問攻めだった。

卵の事は勿論、私がこの世界の事をほとんど知らないことに驚いていた。地理も歴史も常識も、何もかもが驚きで魔法があることに更に驚いた。
手当たり次第地名を言われても全く知らない、分からないだった。

やっぱり、ここは私の知らない世界みたい。

「俺を初めて見た時に怖がらないから、まさかとは思ったが……本当に分からないんだな?」

「はい、特に魔法というものに馴染みがなくて、どういうものなのかすら……それに、ハイデス様が怖いっていうのはどういう意味ですか?」

ハイデス様の第一印象は優しい雰囲気の爽やかな格好いい男性。面長で鼻筋が通っていて黒い瞳の目力の強いこと。両サイドを軽く借り上げたバーバースタイルがこんなに似合うだなんてモデル並、いやそれ以上だ。背も高くてよく見ると体はかなり鍛えてそう。
それでいて笑うと目元が優しくクシュッと愛嬌のある表情をするもんだから、これは女が放っておく筈がないと思った。

イケメン怖い、という意味でなら納得するだろう。
そんな呑気なことを考えていた私に、真剣な面持ちで問い掛けてきたハイデス様の質問の意図が分からず首をかしげる。

「俺の髪を見てどう思う?」

そう言ったハイデス様。
どうも何も、その艶のある黒髪はとてもお似合いだと思います。

「えっと……素敵だと思います、?」

分からなくて、取り合えず思ったことを口にしてしまった。

すると一瞬目を丸くされ、何か変なことを言ったかと思えばすぐに可笑しそうに笑い始めてしまった。

「、え?あの、何か変なこと言いましたか……?」

「ッフ、ハハハ……いや、まぁ……変、だな。確かに変なことだ。」

どうやら変なことを言ってしまったらしい。
怒ってる様子は無いにしろ、その意味がわからなくてどうすればいいか分からない。

「本当に何も知らないんだな。順を追って話そうか。」

そう言って笑うハイデス様は、何故かとても楽しそうだった。
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