第3章 2 暖かな黒の中で
「つらい思い出だなんてそんな、…な、なんと言うか……私は、凄い、あの時ハイデスさんが側にいてくれた感じが、凄い嬉しかった筈…です。」
「勿論、側にいるさ……君が許す限り、私はずっと側にいるよ。」
柔らかな笑みでそんなことを言うハイデスさんが、格好良くて、でも恥ずかしくて。
直視出来なくて思わず下を向く。
あぁ、こんなに格好良いハイデスさんの前で私、ずっとガウン一枚でいる。
そんなことを思っていたら上からクスクスと笑い声がした。
「フフ、可愛いねアンリ……ねぇ、もう一度口付けても?」
「、えっ?…えっと…、」
急な問いかけにどうすればいいか分からない。
ダメじゃない、ダメじゃないんだけど、そんなこと言えなくて。
もじもじしている私に、ハイデスさんは笑って抱き締めるとイタズラっぽい表情で顔を背けないように首の後ろに手を添えてしまう。
「本当に、君は可愛らしい……すまないね、私は存外、余裕の無い男らしい。」
重ねられる唇と、すぐにその中を目指す舌が心の準備が整っていない私を容赦なく犯す。
「んっ、…は…、ハイデス、さ…」
よろめいた私は、すぐ後ろの扉に背を預ける形になる。
唇から離れ、首筋、耳元とハイデスさんの舌が肌を擽る。
「、ぁっだめ…、まって…」
「…アンリ、可愛い……。」
ぴちゃぴちゃと耳元を舐められて、身体がぞくぞくした。
気持ちいい…身体が可笑しくなったみたいに熱い。胸の先端がピリピリする。触れられてもないのに、ピンと立って薄いガウンを押し上げる。
それに気付いてか否か、ハイデスさんの手が私の身体のラインをなぞっていく。
「あっ、やぁ…ハイデスさんっ…だめ……」
可笑しいくらい、胸がドキドキしてる。
私だけじゃない、耳元にかかるハイデスさんの息も荒くて、興奮してるのが分かる。
「アンリ、触れたい……もっと、君に…」
耳たぶを甘く噛みながら、そんなことを言うこの人は酷い人だ。
薄い滑らかなシルク越しにハイデスさんの角張った手が滑る。
それだけで震えてしまう私は、咄嗟に口を手で押さえてしまった。
「…ずるいね、アンリ……言ってくれないんだ。」