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私を愛したモノなど

第3章 2 暖かな黒の中で


本当に、少し馬車に揺られたくらいで着いた先は、小さなお店だった。ショーウィンドウに飾られたアクセサリーにはキラキラとした小さな石がはめられており、どれも鮮やかで美しい。

「こちらの品物は全て魔石が埋め込まれており、その魔石の力により様々な用途に使用されます。今お嬢様がご覧になっているものは守護用の魔法が使用出来るものになりますね。」

これが、魔石…キラキラして、色んな色がある。パッと見宝石のように感じるが、良く見るとその輝きが揺らめいて見えた。

さあ、入りましょうか。

そうジェイドさんがお店のドアに手を掛けた瞬間、どこからか悲鳴が聞こえてきた。
それだけではない、ざわざわとした人々の声と共に慌てふためいてこちらへ逃げ走る人が遠くに見えた。

「え…、なに、何があったの??」

「分かりません。しかし、これはただ事では御座いませんね。」

おろおろと辺りを見回す事しか出来なかった私に、すぐに馬車へ乗り込むようにジェイドさんが誘導し、悲鳴があった方と反対に走る。

「急ぎますので、少し揺れます。しっかりと掴まっていてください!」

馬車の中にいる私に向け、ジェイドさんが初めて見る険相で言った。かなりのスピードで石畳を走る馬車は揺れるが、それどころではない。
悲鳴が、近付いている。すぐに何やら大きな破壊音?のようなものも聞こえてきた。

何?一体何が起きたの?

突然、激しい馬のいななきと共に馬車が急に止まった。
反動と共に転がった私は痛みに耐えながら外の様子を探ろうとする。

「アンリ様!絶対に馬車の中から出てはなりません!!」

扉に手を伸ばしたとき、ジェイドさんの叫び声が飛んできた。
窓の外から激しい稲妻のようなものが光る。
バチバチと鳴る音と共に、声がした。

それは、声というにはあまりにもおぞましく、全身の毛がくり立つ様な恐怖を覚えるものだった。

『……ニオイ、ニオイガスル…ナニヲカクシテイル』

怖い。こわい、こわい、!
私は体を抱え込むようにして震えた。

一体、外に何がいるの?
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