第3章 2 暖かな黒の中で
この子の名前はどうしよう、色々と手続きが必要みたいだけどやっぱり大変なんだろうな。
とは言っても相変わらず私はゆっくりしていて下さい、の一点張り。
ここで無闇に動いても迷惑になるのならやっぱり大人しくしていた方がいいのだろうか。
はぁ、と外灯の見える窓の外を見る。
少しカタカタと音を立てる窓枠が、風の強さを知らせる。
何だか、この窓の外の世界が怖い。
それは私の無知故なのか、まだこの現状に現実味を感じられていないせいなのかは分からなかった。
スヤスヤと眠る姿を見ながらそっと頭を撫でてみる。
ツルッとしてて、ひんやりした鱗は透き通ってるように見えて、その身体自体が宝石みたい。
窓からの月明かりでキラキラと輝いていた。
外では風に流された雲が、月の光を揺らす。その光の当たり具合でこの子の小さな身体の色が変わって見える。
まるでオパールみたいにプリズムのような輝きが翼を彩っていた。
吸い込まれそうな程、綺麗な子。
元気に産まれてきてくれて、本当に良かった。
産まれたのが今朝のことで、ハイデスさんは書類を持ってそのまま仕事へと向かったのでジェイドさんと簡単なこの子の身支度をするので1日が終わってしまった。
何故かこの子が生まれた瞬間、驚くほどにホッとした。
同時に安心したのか体がどこか気だるい。
もしかしたら私も疲れてるのかな、そう思って寝室へ移動する。
本当はまだお風呂とか、自分の事を色々とやらなきゃいけないのに何だか動く気になれない。
契約獣に何かあった場合、初めのうちは契約者にも何かしらの負担が掛かる事が多いらしいからきっとその類いの疲れなのかな。
そう軽く考えるも、次第に酷くなる動機。
あれ、なんだろう、この感じ……