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私を愛したモノなど

第3章 2 暖かな黒の中で


成人から5年以内……成人から5年……てことは、あと2年?
一応、他の人と歳がかけ離れちゃうってことは防げるのか。
だって、一人だけやたら年上だったらイヤじゃない?私は嫌だ。それに、何か役に立てる事を学べるのなら早く行った方がいい筈だから。

「私、出来るだけ早く行きたいです。ずっとお荷物になりたくないし、何か出来ることを見付けたい。」

「……アンリ、何も焦ることはない。ゆっくりでいいんだ。君の気持ちは嬉しいが、無理だけはしないで欲しい。」

不安そうなハイデスさんが私を見詰める。

「フフ、大丈夫ですよ。だからそんな顔しないで下さい。」

そう言うと、ハイデスさんは何だか困ったように笑っていた。

勿論、本心だった。

決して無理をしている訳じゃないの。
私はただ、明確な居場所が欲しかっただけなのかもしれない。フワフワとした私と言う存在を、ハッキリさせたかった。
それは、何よりも私の為に。私が私と言う存在を正確に認識出来ていないのが嫌だったから。
自分を探すって言ったら少し違うかもしれないけど、今の私が確りとこの場所に立っていられるように。
一人でも、立っていられるように。



私は夜も遅いのでハイデスさんと別れ、自室へと戻って寝る準備をする。
お風呂に浮かべられた華の移り香が自分からしてとってもいい気分。
今日は何だかんだハイデスさんともジェイドさんとも距離が縮んだ気がして嬉しかった。

タマゴちゃんを枕元に置いて横になる。
明日はどうしようかな、これから私のやることを考えなきゃな、とかそんなことを考えていればいつの間にか重くなった瞼が私を夢の中へと誘う。

そう、夢の中へと。

それが私にとって、心地好い夢なのか、そうでないのかは分からなかった。
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