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私を愛したモノなど

第3章 2 暖かな黒の中で



「え、……何で、ハイデスさんはそんな危険な洗礼を受けようと?」

「理由か……悪い男にそそのかされた、とでも言っておこうか。」

え、そんな理由で?って思ったけど、何か言えない理由があるのかもしれない……うーん、聞いちゃダメな事だったかな。

「そこは私も詳しくは聞いておりませんでしたね。何故です?」

予想外にこの疑問の続きを煽ったのはジェイドさんだった。

「いや、実を言うと本当に深い理由があったわけではない。強いて言うなれば、師匠に黒魔術師にしてやると言われてな。それが有無を言わさぬ圧力があって……気が付けばその道へ進んでいた。」

「え、本当にそんな理由なんですか……?」

「あぁ、今思えば不思議で仕方がないんだが、そういうことになる。反対されるのも無理はない。」

何だろう、意外だ。それともその御師匠様からの圧力がよっぽど凄いものだったのかな。
ハイデスさんの師匠……どんな人なんだろうとか考えていると不意に視線を感じてハイデスさんの方を向く。


「……アンリ、こんな流れで話すのも悪いのだが、聞いて欲しいことがある。……すぐにとは言わない。この先、何年先でも構わないが、実は君も魔法学校へ行かなければならないんだ。」

「え、私が……?」

急に真剣な表情になったから何かと思えば、それは少しビックリする内容だった。

「魔力があるものは、成人を過ぎたら必ず魔法学校へ行かなくてはならない決まりがあってね。使い方の分からない力を持っていると危険だからだ。だから、君も例外無くその対象になる。私が話をして、時期は余裕を持たせたから何年先でも君の好きな時で構わない。」

考えておいて欲しい。

そう言われて、さっきまで別世界のお話だったことが突然自分の事になった事が驚いた。
魔法学校……何か、響きがとても好奇心を駆り立てられるは私だけ?

「本当ですか?でも、私やっていけるかな……。」

「大丈夫だ。特別に騎士や魔術師になるのなら厳しい試練が待っているだろうが、所謂一般教養は基本的に一年で終わるものだ。そう難しいものではない。」

「えっと、行くのは何時でもいいってことですけど、一般的にはどのくらいの歳で行くものなんですか?」

「歳は成人を過ぎたら例外を除いて5年以内に入ることが義務付けられている。」
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