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君と紡ぐ100のお題

第5章 purple






言われたマンションについて
玄関のチャイムを鳴らした。


インターフォンはとられることなく
少しだけ玄関のドアが開き
そこから白い腕が伸びて
中に招き入れられた。




「いらっしゃい」

「…お、おじゃまします」

「ダイエット?」

「いや、…うんまあ…」


私が答えに困っていると
「うそうそ」と
また手の甲で口を押さえて笑う彼。






「何か、言いたいことがあるんでしょ?」



と首をかしげて私を見る。


お風呂に入ったばかりのかな。
珍しくセットされていない
彼の黒い髪が揺れる。




「…わかってるくせに」

「わっかんないなあ、全然」


そう言って腕を組む。





「笑ってるもん、顔」

「笑ってねえよ、ニヤけてんだよ」

「一緒です、屁理屈」

「うっせえなあ、素直に言いなよ早く」

「素直じゃないのはお互い様」

「あ、出た出た、すぐ話そらす」

「む、せっかく走ってきたのに!
 (最後タクシーだったからズルだけど)」

「ダイエットじゃないの?」

「違うってば!
 早く会いたかったからだよばか!」




勢いで出た言葉に驚いて
手で口を覆う。




しまった、と思い
彼を見ると案の定
にやり、と意地悪な顔をする。




「やった、俺の勝ち」


そうやって
満面の笑みで近寄ってくるから
ズルい。






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