第5章 purple
はあ、と大きなため息をつく俺に
「たまにはいいんじゃない?」
と亮介さんがまた大人の表情を出す。
「…たまには、って…」
「知りたくない?
俺とちゃんに
何があったのか」
「………」
そんなの
出来れば知りたくないはずなのに。
頭の中は昨日のさんで
いっぱいになる。
「何もなかった」と言ったさんが
あんなに大泣きした気持ちの、
その奥の部分が知りたかった。
さんには
絶対聞けないことを
この人は知っている。
「先に行ってます」
そう言うと、亮介さんは
ニッコリ笑い
「同じ女に惚れてるから
俺らきっと仲良くなれる」
と言った。
「惚れてるから」
終わったはずの関係を
気持ちは今もまだ続いているような
そんなニュアンス。
昨日で決着はついたと思っていたのに
まさか亮介さんはまだ…
1人で店に向かう途中に色んなことが
頭をよぎった。
さんを信じてるから
俺は大丈夫だよ、
と自信満々に言ったくせに
結局あの人の、亮介さんの存在は
俺にとって大きくて。
付き合っているのは俺なのに
なんでこんなに不安なんだ。
マジでめんどくさい年下、俺。