第34章 10年越しの告白
「翔さん、大丈夫?」
顔を紅く染めた翔さんは俺が止めるのも聞かずにビールを煽るように飲み続けた。
「ん~?らいじょぉぶ、らいじょぉぶ…んふっ」
「全然大丈夫じゃないよね?呂律、回ってないけど?」
「そんらことないよぉ…」
今にもテーブルに突っ伏して寝てしまうんじゃないかという状態。
「翔さん、送ってくから帰ろ?」
「え~、まだ飲みたいぃ…お前ももっと飲めよぉ…」
駄目だこりゃ…俺は席を立ち会計を済ませてくると翔さんの腕を肩に掛け立ち上がらせた。
「ほら、帰るよ?翔さん」
「やらぁ…」
酔ってるせいで潤んだ瞳、そんな瞳で俺を上目使いで見つめてくるんだ…
ヤバイよなぁ…そのうるうるの目。俺の理性を削ぎ落としていく。
店を出て翔さんを送るために歩き出したはいいが、俺翔さんの家知らないや…
「翔さん、家どっち?」
「ん~、あっちぃ~…」
『あっち』とは言うけど完全に体から力が抜けてて『あっち』がどこを指してるのか全くわからん…
しゃあない、家に連れて帰るしかないか。
歩くことも儘ならない翔さんを背中に背負いアパートまで辿り着いた。
「ふぅ…着いたよ、翔さん」
「ん…」
完璧眠りに入ったな。
背負ったまま翔さんの靴を脱がせ家に上がるとそのままベッドまで運んだ。
そっとベッドに下ろすとすぅすぅと寝息を立てて気持ち良さそうに寝ている。
こんな不用心で大丈夫か?これじゃ襲ってくださいって言ってるようなもんだぞ?