第34章 10年越しの告白
俺と翔さんの新たな関係が始まったのは会社に入社した初日。
翔さんが入社祝いにと飲みに連れていってくれた。
「就職おめでとう」
「ありがと」
ビールジョッキを軽く合わせるとゴクゴクとビールを流し込む。
「はぁ~、うまっ!」
「悪いな、お祝いなのに安い居酒屋で」
「全然いいよ、翔さんと飲めるならどこでも」
「今度はちゃんとした店予約して良い酒飲ませてやるから」
「翔さんが一緒ならどんな酒でも旨いけどね」
翔さんは可笑しそうにふふっ、と笑うと手にしていたビールをグビリと飲んだ。
「お前、ほんと口が上手くなったよなぁ」
「そう?思ったことを言葉にしてるだけなんだけどなぁ。
あぁ、そうだ再会してからまだ言ってなかったね。
翔さん、好きだよ」
翔さんはジョッキをテーブルにとトンと置くと俺をジッと見た。
「「3年早いんだよ」」
翔さんと同時にそう言うと、翔さんが目を見開いた。
「翔さんの返事なんてわかってるよ。
でも、あと3年だからね?今まで7年も追ってきたんだ…ここまで来たら絶対逃がさないよ」
テーブルの上に置かれた翔さんの手にそっと手を重ねた。
翔さんの事を追い続けた7年間…追ってる途中で気が付いた。
もしかして翔さんも俺のことが好きなんじゃないかって。
告白する度に即座にあと何年か答える翔さんを見てそう思うようになった。
それが仮定から確定に変わったのは…たった今。
『逃がさない』って宣言した俺の目の前でみるみる頬を紅く染めていく翔さん。
そんな少量のビールで酔ったわけじゃないよね。