第34章 10年越しの告白
それからの俺はというと、翔さんに認めて貰えるように勉強に運動に生徒会活動に一所懸命頑張った。
夏休みが明け、翔さんが会長職を引退したあと後継者として二宮さんが会長になり俺は副会長となった。
翔さんの最後の仕事…新会長への引き継ぎ作業が終了した。
「これからの生徒会、よろしく頼むな?ニノ」
「大丈夫ですよ、松本くんもいるし。安心して受験勉強に励んでください」
「ありがとう」
翔さんが俺の方を向いた。
「松本、ニノのサポートよろしくな?」
「はい、任せてください」
「じゃあ、ふたりとも頑張れよ」
「翔さんこそ、頑張ってください」
「おう、じゃあまたな…」
たった5ヶ月しか一緒に活動できなかったけど、翔さんと過ごした日々は高校生活を最高に楽しいものにしてくれた。
告白した直後こそ冷たくあしらわれたけど、それ以降は優しく接してくれたし、勉強でわからないところがあれば教えてくれた。
初めて抱いたイメージ通り綺麗で優しい人…そんな翔さんに俺は益々惚れていった。
年が明けて3月…とうとう翔さんが卒業式を迎えた。
都内の超有名大学に見事合格し、4月からは大学生となる。
生徒会室に最後の挨拶に寄った翔さん…
「卒業おめでとうございます」
「ありがと」
生徒会代表で花束を渡すと笑顔で受け取ってくれた。
「これからはそうそう会うこともないだろうけど、みんな元気でな」
「翔さんもお元気で」
二宮さんが手を差し出すと翔さんはその手を握った。
「じゃあな」
綺麗な微笑みを残し生徒会室を出ていく翔さん。
俺はその後を追い、階段を降りていく翔さんの背中に呼び掛けた。
「翔さんっ」
「え…」
足を止め振り返り俺を見た。
「翔さん、好きです」
翔さんに2度目の告白…翔さんはニコッと笑うと
「松本、俺に告白するなんざ9年早いんだよ」
そう言って手を振りながら歩いていった。
翔さん、待っててよ?俺、諦めないから…絶対翔さんに認められる男になってやる。