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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




『泊まっていい、ってこと?!』

驚いて問い返す俺に、
苦笑いで答える綾ちゃん。

『だってその様子じゃ、帰りなさい、
…って言っても帰らないでしょ?』

『うん。』

『なら、寒いところに放り出すより
うちにいてもらった方が、私も安心。』

よかった。
やっぱり綾ちゃんは、俺の味方だ。
…母さんに、そう言ってやりたい…

泊めてくれるからには
綾ちゃんに昨日のことを
あれこれ聞かれると思ったけど、

予想に反して、
昨日のことへの質問は一切なく、

『ね、いっちゃん、明日、お弁当は?』

そんな予想外の質問に、
俺の方が驚いてしまう。

『え?弁当?学食行くからいいよ。
さすがに、弁当箱は持ってきてないし。』

『使い捨てのお弁当箱と
割り箸でよければあるわよ?』

『かまわないけど…いいの?』

『大したおかずは出来ないけどね。』

『いい、全然、いい!嬉しいじゃん、
また綾ちゃんの弁当、食える!』

綾ちゃんは、笑った。
本当に、母さんにバレたことなんか
全く気にしてないみたいに。

『じゃ、下ごしらえするから、
いっちゃん、先に寝てて。ちょっと、
台所がうるさいかもしれないけど。』

『俺も、なんか手伝わせて!』

『今日はお断りする。
二人でやるほどのこと、ないし。
いっちゃん、さっき、寒かったでしょ。
受験前に風邪なんか引いたら大変。
泊めてあげるんだから言うこと聞いて。』

『…はぁい。ね、綾ちゃん、』

『ん?』

『また、俺を置いて
勝手にどっか行ったりすんなよ?
明日の朝、起きたら俺1人、とかって
絶対、やだからな。絶対。』

アハハ。
俺の不安をかき消すように、
カラッとした笑い声で答えてくれる。

『お弁当も朝御飯もちゃんと作るから安心して。』

…俺の心配は飯のことじゃないけど、
それでも、あっさり約束してくれたから
なんだかホッとする。

『俺、布団、あっためとくから、
綾ちゃんも早くおいでよ!』

『ありがと。』

それは本当におだやかな声だったから、
俺は安心して布団に入った。

なんとかして綾ちゃんが来るまで
起きていたかったけど、

聞こえてくる台所の音が心地よすぎて、
いつの間にか眠ってしまった。

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