• テキストサイズ

~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




言い過ぎた、って一瞬後悔したけど、
今さらひっこみもつかず。

ここで母さんが泣いたりすれば
形だけでも謝ったりするのに、

そこはやっぱり、あの母さん。
これで泣くような人ではなく。

『なかなか言うわねぇ。』

むしろ、笑ってるようにすら見える。

…そういう強さが、
綾ちゃんの"女性らしさ"と違って
さらに腹が立って。

『母さんだって
世間に言えないような恋愛して
勝手に俺を産んだんだから、
俺と綾ちゃんがどーしようと
あれこれ言える立場じゃないだろ。
放っとけよ。』

『一静、ハッキリ言うけど、』

『…なんだよ?』

『綾と一静がどういうつきあいか
敢えて聞かないけど、これだけは言える。
あなた達のは、恋愛じゃないわよ。』

『…ちゃんと、恋愛だよ!』

『一静はそのつもりでも、綾にとっては…
そうねぇ、傷が治るまでの絆創膏みたいなもの?』

『ば…』

絆創膏?

『絆創膏を貼ると、外からの刺激が弱まるから
一度つけてしまうと手放せないのよ。
でも、傷はどのみち、治るから。
…治れば、絆創膏は、いらなくなる。』

『そんな、使い捨てみたいな言い方…』

『しょうがないでしょ、今の一静には、
まだそれ以上の力はないんだから。』

『んなこと、ねーよ!』

『…じゃ、大人相手に恋愛する覚悟があるの?』

『…』

そばにいて、一緒に飯、食って、
時々抱いて、女としての喜びを…

俺の考えてることがわかるみたいに、
母さんがグサグサ言ってくる。

『欲とか快楽は、
当たり前じゃないから魅力的なのよ。
その先にある他人の長い人生に
関わる覚悟が、ある?』

『…そんな、大げさな…』

『大人と恋愛するって、そういうこと。
綾は、慶君にガッカリされるわ。
一静は、私やこの街の人を裏切れる?
例えあなた達二人で生きていくとしても、
一静はまだ、ろくに稼ぐことも出来ないし。
どう?二人でどっか逃げて生きてく?
綾が、始めたばかりの新しい生活、
一静のために捨ててくれると思う?』

いちいち正論で、
だからそこ、ホント、腹立つ。

『おおげさなんだよ!』

『そうかしら?
…これ、一静に預けるから
どうするか、自分で決めなさい。』


差し出されたのは、
さっきのタクシーの領収書。


/ 733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp