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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




蕎麦屋のおっちゃん達と
しばらく過ごして、店を出た。

夜、8時。
イブの街は
これから本格的に賑わう時間。

肩からかけたエナメルバッグには
綾ちゃんへのプレゼントが
入ったままで…

もちろん俺は今から家に帰るんだけど、

ちょっとだけ、回り道。

細い裏路地が多い歓楽街でも
迷わず、たどり着ける。
…綾ちゃんの店が入ってるビル。

来るな、って言われてるけど。
行っちゃダメだってわかってるけど。
イブくらい許されるんじゃねーかな?

そんなことを考えてた時、
後ろを通りかかった女性二人連れの声が
ふと耳に入った。

『どこ行ってもカップルでムカつく~!』

『イブだからって、
みんながウキウキじゃないよね!』

『明日も仕事だし、
フツーにお茶して、さっさと帰ろ。』

『でもあたし、来年の今頃は
彼氏作って浮かれてたい(笑)』

二人の乗ったエレベーターは、
4階で、止まる。

…綾ちゃんの店、行ったんだ…
その瞬間、気持ちが決まる。

帰ろう。

"お客様に
日常を思い出させたらいけないから、
店には立ち寄るな。"

頭に浮かんだのは、母さんの口癖。
客商売をしている以上、
綾ちゃんも同じ気持ちのはず。

…くそー、ここにいないし、
日頃もそれほど会わない母なのに、
なんで今、このタイミングで
思い出すかなぁ、俺、バカ…

自分にうんざりしつつも
既に気持ちは切り替わってて。

その足で綾ちゃんのアパートへ向かい、
ドアの取っ手にプレゼントの紙袋をかけて、
そのまま真っ直ぐ、帰った。

なんとなく眠れなくて、
ずーっとゲームをしてたら、
綾ちゃんからメッセージが届いた。

"サンタからのプレゼント、
何年ぶりだろう?ありがとう!"

そして、
メリークリスマス、のスタンプ。

…自撮りの写メとか
送ってこないところが、
俺ら世代の女子とは違うなぁ。

メリークリスマスのスタンプと、
おやすみ、のスタンプを返すと、

すぐに綾ちゃんからも
おやすみ、のスタンプが届いた。

…地味めのクリスマスだったな。
でも、俺らしいっちゃ、俺らしいか。
そんなことを考えてたら、
いつの間にか、眠ってた。

綾ちゃんからのメッセージのおかげか、
今度は、ぐっすり眠れた。

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