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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




ハロウィンが終わると、
街は一晩で、
クリスマスムードに変身する。

クリスマスは、やっぱり特別だ。

既に東京の体育大学に
進路が決まってる及川は
なにやらパーティーの予定があるらしく
浮かれているし、

岩泉は、後輩彼女と、
花巻は、同級彼女と、
一緒に過ごす予定らしい。

だけど俺は、
イブも当日も水曜じゃないから
綾ちゃんには、会えない。

わかってる。

つきあってるわけでもねぇ俺らに
浮かれたイブなんて関係ないって
わかってるし、

俺がそういうキャラじゃないことも
自分でよーくわかってる。

だけど、

綾ちゃんは、
家族から離れて初めてのクリスマス。
きっと"独り"が身に染みるはずだ。

一人で、あの部屋で、
笑顔のないクリスマスなんか
過ごさせたくなくて。

イブの日の学校の帰り道、
ブラブラと一人で駅ビルを歩いてたら
いい感じのマグカップを見つけた。

アクセサリーとかは
彼氏が贈るものだろうけど、
このくらいのプレゼントなら、
綾ちゃんにあげてもいいよな?

とりあえず、
マグカップを持ってレジに行く。

『ご自宅用ですか?』

『いえ、あの、プレゼント…』

『通常ラッピングと
クリスマスのラッピング、選べますが?』

『…クリスマスで…』

『では、ラッピング出来ましたら
この番号でお呼びしますね。
しばらく店内でお待ち下さい。』

ニッコリ笑った店員さんに渡された
花の形の番号札。

店内で待て、って言われても…
やたらキラキラしたディスプレイとか
やたらくっついて歩くカップルとか
そんなのが全部、なんか、恥ずかしい。

『番号札15番でラッピングをお待…』

呼びだしの言葉の途中に
奪うように受け取って
急いで店を出る。

クリスマスデザインの紙袋の中、
赤い包装紙に金色のリボン、
ベルの飾りまでついた包み。

いつ、渡そう?
次の水曜日じゃ、
クリスマスムードは終わってるよな…
このラッピング、あさってにはもう
季節外れになってしまう。

…クリスマスじゃなくて
普通のラッピングにすればよかった、
と思ったけど、もう遅い。

…とりあえず、メシ、食いに出よう。
いつもは財布と鍵とスマホだけ持って
出かけるんだけど、

今日は部活で使ってた大きな
エナメルバッグにプレゼントを入れて
家を出た。

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