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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)



『朝9時からお昼2時までのパート。
ありがたい仕事よ。賄いもついてるし。』

『…夜も仕事してんのに?体、大丈夫?』

『ぜーんぜん平気。
夜のお店は売上に波があるから、
固定の収入あるとやっぱり安心。』

『せっかく自由になったんだから、
もっと独身生活、楽しめばいいじゃん。』

『離婚で揉めてる時、夫に言われたの。
"金も稼げないくせに偉そうなこと言うな"って。
私、悔しくて
"そっちこそ、お金しか稼げないくせに
偉そうなこと言わないで"って
言い返しちゃったんだけど、』

へぇ…そんなこと言うなんて。

『ちょっとビックリ。』

『でしょ?
自分でもビックリしたもん、
夫にそんな反抗したことなかったから。
だけど、偉そうなこと言った以上は、
独り暮らしする分くらい稼がなくちゃね。
もし私に生活力があったら、
慶を手放さずに済んだわけだし。
せめてこれから先、年取ってからも
慶に迷惑かけない程度は自立しないと。』

『…そんなに働いて大丈夫かよ?』

『平気。それに今は、ほら、こうして、』

茶碗を洗う手を止めて、
綾ちゃんが、俺を見上げる。

『週に一度の息抜きもあるしね。
食欲旺盛なもう一人の息子との時間が、
今、一番の楽しみ。』

『綾ちゃんのもう一人の息子は
腹一杯になると、悪い子になるけど。』

カチャン。
拭いてた茶碗をそこに置いて、
綾ちゃんを抱き締める。

『ちょっと、まだお皿洗い、途中…』

『後で。』

『せめて手、拭かせて…』

『ダメ。ね、それより、
今日はあのエプロン、つけてよ。
パートの主婦とアルバイト学生が
こっそり倉庫でセックスする、っていう…』

『あら、マニアック(笑)…』

『及川のせいかな?あいつ、俺に
そんなのばっかり勧めるからさぁ。』

『そうなの?(笑)』

『大人の女と付き合うんだから、
大人の楽しみ、味わいたいじゃん。』

『私達、付き合っては、いないわよ?』

『あぁ、もう、うるさいなぁ(笑)
黙って反抗期の息子に犯されろ!』

…やっぱり俺達は、
愛でも恋でもないらしい。

それでもいい。
日頃の疲れや不安や現実から逃れる
ヒトトキの相手がいたっていいだろ?

大人もガキも、関係ない。
居心地がいい場所。
居心地がいい相手。

みんな、
それを探して生きてるんだろ?

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