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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




その日を境に、
俺の生活はガラッと変わった。

…と言えたらいいのに、
綾ちゃんは、
そうさせてくれなかった。

俺は、

毎日でも会いたい、
会えなくても、学校が終わったら
綾ちゃんちで勉強するから
合鍵作らせて、って頼んだんだけど、

綾ちゃんは
自分が休みの日以外は来るな、と
言い張った。

『出来るだけ今まで通りに暮らさなくちゃダメ。』

『だって、どーせうちにいたって1人なんだし、
どこで過ごしても一緒じゃん?
約束する。店には絶対、近づかないし
そこに行っても、
10時には、ちゃんと戸締まりして帰る。
俺、留守番、慣れてっし。いいだろ?』

電話でそう頼みながら、
俺はつい、頭まで下げてしまう。

『ダーメ。』

『…なんでさ?』

聞こえてくる綾ちゃんの声。
目の前にいなくても、
ニッコリ笑う表情が、目に浮かぶ。

『いっちゃんは
しっかりしてるから大丈夫だろうけど、
私が平常心でいられなくなる!
いっちゃんが来てるかも、と思ったら、
ついつい、お店、早じまいして
さっさと帰りたくなっちゃいそう!』

…ズルいなぁ、と思う。

綾ちゃんはきっと、
そんなことはしない。

本当は、

俺がダラダラと居座らないように。
普通の生活を乱さないように。
…母さんにバレないように。
それを心配してる。

でも、それをそのまま言っても
きっと俺が納得しないから、

"自分がダメになる"って
わざと言ってるんだ、ってことくらい、
俺にもわかる。

わかるから、
それ以上の無理は言えなくて、
それこそまさに、
綾ちゃんの狙い通り。
…争わない、大人の和解策。

そんなわけで、
俺は、
綾ちゃんに夢中なんだけど、
日頃はそれまで通り、

昼間は、
及川達とジャレながら
"彼女のいない受験生"の生活を送り、

夜は、
日替わりで"外の家族"と
気ままに晩飯を食って家に帰って、

そして毎週一回、
綾ちゃんの店が休みの水曜だけ
綾ちゃんの家に行き、

1週間分の話をしながら
綾ちゃんの作る晩飯を二人で食って
そのままの流れでセックスをして帰る。

会いたくて会いたくてたまらない分、

たまに会えるのが嬉しくて、
水曜日が、待ち遠しくて。



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