• テキストサイズ

~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




『見せてよ、自分でするとこ。』

そんなムチャな願いをするつもりなんて
ついさっきまでなかったのに、
なんというか、勢いで、つい…

一瞬の沈黙。
途端に恥ずかしくなる。

『…いや、ごめん、なんかつい、
調子にのってしまったっていうかさ、』

俺、しどろもどろ。空気がシラケて…

『…いいよ。』

『だよな、いくらなんでもそんな…え?!』

え?
綾ちゃん、今、なんて言った?

『いいよ、興味、あるんでしょ?』

そう言われると…

『う、うん、まぁ、そりゃ…でも、』

『でも?』

『いや、その…イヤなら無理しなくても…』

俺を見上げる綾ちゃんの視線は
ただひたすら、色っぽくて真剣で。

『イヤなら、最初から
こんなコト、してないわよ。
そもそも私、
キレイごと言える立場じゃないし。
こんな、使い古しで型崩れしてる体でも
いい、って言ってくれるいっちゃんに、
してあげられることは、なんでもする。』


切なさと、色っぽさと、潔さと、
そして、エロの自由度?…が、
未成年の純な恋愛ではあり得ないくらい、
たまんなく、魅力的で。


ゴクリ、とツバを飲み込んだ音が
えらく大きく響いた気がした。

『でも、さすがにこのままは恥ずかしい…
暗くして、いい?』

『も、もちろ、ん、いい、よ…』

クッ、と小さく口元だけ微笑んで、
綾ちゃんは、部屋の電気を消す。

窓から差し込む薄い街灯の光と、
中途半端な形の月の明かり。

壁に背中を預けて座り込み、
立てた膝をゆっくりと開く。

慌てて俺もその正面に座った。
真正面から見ていいものかどうか
一瞬、迷ったけど、
逸る気持ちには逆らえなかった。

…見たいに、決まってるじゃん。

綾ちゃんの手が
膝の間に吸い込まれていく。

…マジで、マジで、いいのだろうか?
こんなの、見ちゃって、いいのだろうか?

『…もしかしていっちゃん、ひいてる?』

『ひ、ひぃて、ねぇけど…
…まじで、俺、見てていいの?
綾ちゃん、なげやりじゃねぇよな?』

暗くて影のかかった顔に、微笑み。

その顔は、
なげやりでも
恥ずかしげでもなく。

『私がいっちゃん達の若さに勝てるのは、
経験だけだからね。なんでも、あげる。』

…こんな時に言うのもなんだけど、
かっこいい、と思った。

/ 733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp