第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)
『…はぁっ、いっちゃん、』
『ん?』
『気持ちよすぎる…』
なんか、すげぇ、嬉しい。
経験値からしたら、俺なんか、
実践より、AV見た時間の方が長いくらいの
まだまだ未熟者で、
綾ちゃんの方が絶対、
いろんな男といろんなセックスしてて、
俺はまだ、
勢いつけなきゃ抱けないし、
楽しむ余裕も正直、ないけど、
それでも、
吐息混じりの声で
『気持ちよすぎる…』なんて言われたら、
なんか、グンと大人に近づいた気がする。
『…もっと、感じてよ。
どうしたら、気持ちいい?』
綾ちゃんが
爪先立って、俺の顔に近付こうとする。
何か、言いたいみたいだ。
『なに?』
指は動かしたまま口元に耳を寄せると、
はぁっ、ぁん…という喘ぎ声。
『耳元でそんなに喘がれると、
俺、たまんねーんだけど。』
『…あたしも、耳元で囁かれると、
ゾクゾクするから…
…ねぇ、いっちゃん、なんか、言って。』
なんか?
なんか…って、何を言えばいい?
腰を押し付けてきながら、
綾ちゃんが、甘い声で言う。
『…指も、止めちゃダメ…』
あ、必死で考えてたら
指がおろそかになってた…
ええと、ええと、
うぅ、ヤりながら考えるって
結構、難しいな…
そうしてる間、綾ちゃんは
俺を急かすことなく、
勝手に腰を動かして
ワレメで俺の指を深く咥えこんだり、
俺の背中やケツを引っ掻いたりしてる。
『…ゃぁ、んっ、いっちゃん、
ね、私、もう、このまま、ねぇ…』
あぁ、そうだ、
及川からもらった熟女AVで
男優が言ってたセリフを、
ふと、思い出した。
耳元に口を寄せる。
囁くように、息を吹き掛けるように、
そっと、ゆっくり、丁寧に。
『…旦那以外の男に抱かれてみたいって、
ずっと思ってたんじゃねーの?』
一瞬の間のあと、
『そんなこと…』
と、控え目に首を振る綾ちゃん。
おぉ、あのAVと同じ反応だ(笑)
なら、同じ展開へ。
『一人の時は、自分でシてた?』
『…して、ない…』
『うそつけ。シてただろ?』
『…したことも、ある…けど…』
まさかの告白っ!
ならばっ!
ナカで
クチュクチュと音をたてていた指を
スポッ、と抜いて。
もちろん、耳元で、ささやくように。
『見せてよ、自分でするとこ。』