• テキストサイズ

~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




『キレイゴト言ったって、
ほんとは、まだ、"女"でいたいだろ?』

…言ってしまった俺自身が
ドン引きするようなチャラいセリフ。

きっと、笑われる。
そう思ったけど、

綾ちゃんは、
笑わなかった。

じっとこっちを見て、

『うん。』

と、一言だけ返事して、
そして、
グラリと、俺の胸に頭を寄せてきた。

あぁ、
今までとは違う綾ちゃんだ。
大人、じゃなく、
女、になってる。

どうやったらいいかわからないけど、
大事に愛したい、って思った。

『綾ちゃん、』

大事にしたい、と思う気持ち。

ギラギラした欲望じゃなくて、

手放したくない、
壊したくない、っていう
当たり前の感情でいっぱいになって、

ぎゅっと、手を握る。
そしたら綾ちゃんが、
その手を握り返してくれた。

もう片方の手で、
頭をそっと撫でると、

ふぅっ、と深呼吸が聞こえて、

頬を俺の胸にこすりつけてくる。

ただそれだけで、
心が伝わってるみたいで嬉しくて、

エロいことしなくても
もう、
…ガラじゃねぇけど…
胸がいっぱいになって。

『ねぇ、綾ちゃん、』

ん?と、
俺を見上げた顔を見つめて
…見つめあって…
自然に、唇が重なる。

キスって、
こんなに優しくしたくなるものだっけ?

今までのキス
…いわゆる人生初のファーストキスの時も、
うちのキッチンで綾ちゃんとした時も、

もっと、なんというか
身震いするような興奮とか
エロへの入り口、みたいな
はやる気持ちばっかりだった。

今は、もう、とにかく、
この時間がずっと続けばいいのに、
そんな気持ちでいっぱいで。

何度も何度も、

少しづつ顔の角度を変えたり、
触れる感覚を変えたり、
繋いだ手を握りしめたり、
その手をほどいて抱き締めたり、
また手を繋いで指を絡ませたりしながら、

何度も何度も、
キスをした。

キスしながら、思った。

さっき綾ちゃんは
"俺のことを好きにはならない"
そう言ったけど、

俺は、
自分の初恋は
綾ちゃんだってことにする。

誰にも言えないけど、
今までの彼女達にも申し訳ないけど、

こんなに、
自分でもどうしようもないほど
追いかけたくなったのは、

綾ちゃんが、初めてだから。

/ 733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp