第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)
綾ちゃんが、
俺の手を取り、自分の胸にもっていく。
シャツ越しのふくらみ。
柔らかいかたまりに押し付けられる。
『ね?ドキドキしてるでしょ?』
『…わ、わかんねぇけど…』
『服越しじゃ、わかんない?』
また、手を掴まれる。
そして、シャツの首のところから
押し込まれた俺の手は、
ブラのカップをやすやすとくぐり、
コリコリとした突起ごと掴まされる。
『…どう?』
『ん、してる?ような…』
正直言うと、
自分の興奮と緊張で、
人のことなんか、わかんねぇ…
押し込んだ俺の手を、
綾ちゃんが服の上から
自分の手を添え、刺激してくる、
『…あの、綾ちゃん、』
積極的すぎ、じゃねーか?
『私、まだ酔ってると思って、聞き捨ててね。』
笑ってる。のに、切ない顔。
『さっきも言ったけど、
離婚したことは一ミリも後悔してないの。
だけど、このまま女を終わらせるのは…
最後にいつセックスしたかも覚えてないまま
女としての人生を終わるのは寂しすぎる、
って、…私、淫乱で変態なのかも、って
誰にも言えなかったけどずっと思ってて、』
赤裸々な、
それこそ"熟女エロ本"の告白みたいな
すげぇ本音で、
『そしたらいっちゃんがこの間、
ほら、ここで、結構スゴいことを…』
した。
玄関で、ストッキング破いて、
そのまま、我慢できず、顔にかけた…
『…あん時は、ゴメン。暴走して…』
『違う、謝らなくていい、
…私、嬉しかったの。
あんなに情熱的に求めてもらえること、
いろいろ妄想してきたけど、まさか
現実に起こるなんて思ってなかったから、』
『そう、なんだ…』
『そう。だから、ありがとう、なの。
あれで私の女としての人生は
一区切りでいい、って思ったもの。
…あの想い出があれば、いざという時は、
自分でね、スればいい、って。』
自分で…っていうのは、自慰、ってこと?
…それはそれで、俺にとっては
かなりの興奮キーワードなんすけど…
『そしたら、またこうやって
ちょっと凹んでるときに、いっちゃんが、
王子様みたいに現れて…』
『王子様?俺が?!』
『そう。
…いろいろ手離してきたけど、
まさか、最後にこんなご褒美が…』
ご褒美、だなんて。
俺の下心に、
そんな付加価値をつけてもらって
いいのだろーか?!