第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)
ふっくらとした手の温もり。
ギュッ、と握りしめられて
俺のアレもさらにビクンと逞しく育つ。
『俺、男だから、
痛みとかわかってやれねぇけど…
少しでも体とか気持ちとかほぐして、
その上で、イタダキきたいよ。
女子にとって、大事なことだろ?
痛いのはどうしようもないとしても、
いい想い出にしてやりたいからさ。』
『…』
プルル、プルル、プルル…
沈黙を邪魔する音。
かけておいたアラーム音だ。
…変な言い方だけど、ちょっとホッとする。
『起きよう、ほら。』
複雑な顔をしながら
俺のアレから手を離した彼女を抱き起こした。
目を合わせようとしないのは、
怒ってるのか、テレてるのか。
ツン、と、
小さな乳首を指で弾いてやる。
『ゃぁん、』
『…俺は、嬉しかったよ。
スッゲーきれいな裸、見せてもらえて。
ここ誘うのだって、覚悟、いっただろ?
俺からはなかなか言えないから…
ありがとう。』
肩を抱き寄せて、頬にキス。
『…センパイ、私、子供で…ごめんね。』
『なぁにが子供だって?』
慰めっぽくするのはイヤだし。
実際、謝らねぇといけないのは
彼女の望みに応えてやれなかった
俺の方かもしれねぇし。
わざと意地悪く、
彼女の股間の茂みをギュッ、と引っ張る。
『痛っ!』
『ここにこんなに毛ぇはやしてて
何が子供だよ。…今度こそゆっくり、
この奥、攻めてイジメてやるからな!
…ほら、早く、着替えてこい。』
彼女が着替えてる間に支払いを済ませ、
そそくさとラブホを後にする。
出来るだけ普通に普通に、と思うのに、
俺より彼女の方が、口数が少ない。
『家まで、送るから。』
『いい。
友達と研究発表のリハーサル、って
言ってあるから。』
『じゃ、駅まで…』
『ううん、それもいい。
ちょうどパパが帰る時間だもん。
もしかしたら同じ電車かもしれないし。』
そうやって言うから、
結局、仙台駅で別れることにした。
『…センパイ、
中途半端に誘って、ごめんなさい。』
『それを言うなら、俺も、
期待に応えてやれなくてごめん。
もっとうまくリードできたらよかった。』
『…そんな…』
謝りあうのは悪循環。
『またたまには弁当、頼んでいいかな?』
『ん。』
『じゃあな。気をつけて。』
『はい。』
…手を振って、
人混みに消えていく後ろ姿。
