• テキストサイズ

~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




彼女の決意は、
俺にも充分、伝わってきた。
けど。

『あのさ、1つだけ問題がある。』

ギュッ、と眉間にシワを寄せて
心配そうな顔をする彼女。

『問題…なに?』

『俺、さっき、餃子、食った。
多分、ニンニクくさい。』

眉間のシワがほぐれ、
クシャッと笑顔になる。

『私も餃子、食べればよかったね。』

『マジで。
こんなことなら半分やればよかった!
…いいのか?せっかくなのに、
きっと、雰囲気、ぶち壊しだぞ?』

笑顔がキュッと引き締まる。

『いい。センパイとなら、いい。』

なら、もう、
ためらう理由はひとつもない。

『…じゃ、急ごう。
時間、ちょっとでももったいねぇから。』

今度は俺から、彼女の手を繋ぐ。
歩いてる間、彼女はずっと黙ってた。

繋いだ手の指、一本一本に
無駄に力が入ってることからも、
歩き方がぎこちないことからも、
緊張が伝わってくる。

彼女の緊張を感じとりながら、
俺は俺で、頭の中、いろいろなことを
忙しく考えていた。

…処女と寝るの、初めてだ。
使える時間は一時間くらいしかない。
どんな風にしたらいいだろうか。
まず、歯を磨こう。

泣く、だろうか?
すごく痛がったら、
途中でやめるべき?

あ、それより、ホテルはどこにしよう?
俺の持ち金で休憩二時間の料金払えて、
あんまり安っぽくないところ…

考えることがたくさんありすぎて、
彼女の緊張を和らげる余裕もないまま
ホテル街に到着してしまった。

どーすっか?
制服着てるし、時間もないし、
あんまりウロウロできる状況じゃない。

個性的な建物を端から順に眺めていると
そのうちの一件に、見覚えがあった。

…ぁ、ここ、前の彼女と来た。
そこそこの雰囲気だった気がする。

『ここで、いいかな?』

『センパイに、任せる。』

迷ってる暇はない。
人目を確認して彼女の手を引き、
さっと入り口のゲートをくぐる。

思いもよらないこの展開。

開いた自動ドアを通るとき、
立て続けに3人の顔が頭をよぎった。

ひとり目は、
前に一緒にここに来た大学生の彼女。
あの時は、彼女にお任せで来たから
気楽なもんだった。

二人目は、花巻。
アイツは彼女と
キスから先に進んだだろうか?

三人目は、綾ちゃん。
…今頃、うちでテレビでも見ながら
一人で飯、食ってるんだろうか?


/ 733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp