第138章 あなたにもう一度後日談(2)後編
先に職人の家に辿り着いていたひまり。案の定、俺達と一緒に来た女を見て瞳を潤ませた。俺は咄嗟にひまりが泣き出す前に気持ちを落ち着かせ、職人に案内された居間へと向かった。
「早速来て貰って悪いね。大した持て成し出来ないが、ゆっくりしていってくれ」
「……ありがとうございます」
「あの……失礼ですが、お二人のご関係は?」
ひまりは職人とその隣に座る女を見て、不思議そうに訪ねる。
「まだ、出逢ったばかりだが運命を感じてね。もうすっかり夫婦気分で」
「ふふっ。お恥ずかしいけど、一目惚れしてしまって」
顔を赤らめる二人を見て、ひまりは俺と全く同じ反応をして口をポカーンと開け……混乱。
「家康……私、頭の中ぐちゃぐちゃ」
「……だろうね」
その間抜け面見たら解るし。
と、俺が言うと頬を膨らませむくれる。
「どーせ、家康みたいに頭。柔らかくないですよーだ!」
「出た。駄々っ子ひまり」
「もうっ!家康なんか知らない!」
プイッと顔を背けるひまりに、俺は笑いを堪えながら謝るけど簡単には許してくれなさそう。
「くっ…、ほら、ちゃんと謝った、から……」
「言っとくけど、顔すっっごい笑ってるからね!!」
「ふふっ、ご夫婦仲が宜しくて羨ましいですわ」
「本当だな」
職人と女は微笑み合う。