第137章 あなたにもう一度後日談(2)中編
町の外れにある森の入り口。
そこにポツンと建てられた一軒の平屋。そのお家に、私と時姫はお邪魔していた。
出されたお茶を頂き、通された居間の中をつい横目で見渡す。掛け軸に描かれた風景に思わず目を奪われ、じっと見つめていると……聞こえた咳払い一つ。
「絵描きは趣味でね。今でも、時々気が向けば描いている」
「凄いですね!素敵な装飾品も作れて、こんな素敵な絵まで……」
「……君みたいな素敵なお嬢様さんに、そう言って貰えると有難い」
職人さんは抱っこをせがむ時姫を膝の上に乗せて、大きな手で花飾りに触れる。
「二人とも良く似合っている」
「ありがとうございます。今朝、出掛ける前に家康が付けてくれて……」
私は自分の耳の横に付けてある花飾りを取り外し、手の上に乗せる。
ーーはい、俺からのクリスマスプレゼント。
ーーこれ………花飾り?嬉しいありがとう!!
ーーひまり……。俺は良いけど、子供が達見てるよ。
ーーえ………?わぁっ///
貰った時はつい嬉しくて、周りを気にせずに家康に抱きついちゃった。
(ふふっ……あの後、拗ねる竹千代を慰めるのは大変だったけどね)
本当は夜に渡すつもりだったけど、時姫がよく似たのを付けているのを見て、折角だからお揃いで付けれるようにって。
まさか偶然にも時姫が付けている花飾りも、この職人さんが作った物だとさっき聞いて……本当にびっくりした。