第136章 あなたにもう一度後日談(2)前編
(あと………)
チラッと片目を開け、隣にいる家康を見る。
(大好きな家康と、今まで以上に沢山の愛を育てていけますように)
「……ひまり、あんまり欲張ると叶えて貰えないよ?」
祈り続ける私の頬を家康は軽く押す。目を開ければ意地悪な笑みがすぐ目の前にあって……私はむくれ顔。
「もうっ!人が真剣にお祈りしてるのに!!」
「……だから、天邪鬼な神に何を言っても無駄だって。俺に叶えられることは俺に直接、言わないと」
「…………解った。なら少し屈んでくれる?」
私は背伸びをして、少しだけ下げられた家康の耳に手を当て、内緒話をするように……「これからも、いっぱい愛して下さい」そう小声で伝えた。
(やっぱり、恥ずかしい///)
思わず俯くと、突然家康が大きな声を上げる。
「竹千代、時姫!!後ろっ!!」
「後ろ!!」
「うち、ろ」
えっ!?と私まで思わず反応して、後ろを向こうとした時……顎を持ち上げられ激しい熱に唇を奪われた。
「……んっ……ぁ っ」
足の力が抜け、家康の手が私の腰を支える。
「あっ!時姫、ほらっ!狐がおるぞ!!」
「き、ねたん」
「…………嘘はついてないからね」
囁かれたすっごい意地悪な声。
「……もうっ///……ばかっ」
「バカはひまりの方。今度あんな可愛い事したら……どうなっても知らないから」
再び重なる唇。
「狐、何処かにいってしもた……。母上何故顔が赤いのだ??」
「………さぁ?もしかしたら狐にでも取り憑かれ……っ!!」
私は家康の頬を引っ張り、目尻を吊り上げる。
「竹千代、時姫、次の場所に行こうか?……ここは狐じゃなくて、意地悪たぬきが出るみたいだからっ!!」
そう言い放つとキッと家康を睨みつけ、子供達と手を繋ぎささっと歩き出す。
「ちょっ、ひまり!!」
「竹千代、時姫っ!意地悪たぬきさんから逃げるよっ!いちについて〜……」
「よ〜い……」
「ど、ん」
「あ、こら!また、雪で滑ったら!どうすんの!!」
私達は笑い声を上げながら、走った。
もう、ずっと前からこうしていたみたいに。