第134章 あなたにもう一度〜エンディング〜
私は手を動かし、自分の身体を触る。上半身に触れ、顔に触れ、足に触れ、耳に触れ……最後に目の前の家康の頬に触れ……感触があることに驚いて口をパクパクと動かした。
「……な、な、なっ、なんでっーーー!!!!」
「…………叫びたいのはこっち」
「確かにひまりさんは一瞬消えたように見えましたが……天女の姿から人間の姿に戻っただけでした」
混乱する私。そんな私に佐助君は落ち着いた様子で事の成り行きを簡単に説明してくれた。けれど、全く状況は飲み込めない。
「で、でもっ、天女の心が尽きたら花になるって!だから……お母さんだ……って」
「……確かに、心が尽きた天女は花に生まれ変わる。母親も暫くは花の姿のままだが、いずれかは新しい生を宿すだろ」
神がまだ居たことに内心驚きつつ、私は視線を向ける。
「なら、どうして!!どうして私は花にならないのですか!!」
「……そもそもお前自身が『真実の花』だからだ」
だから、「真実の花」を咲かせた天女はいないと申したはずだ。神は平然とした態度でそう言い、私達の元に近づいてくる。それを見て、家康は私の身体を守るように引き寄せ……凄い形相で神を睨みつけた。