第133章 あなたにもう一度第三幕(20)
「差し出せ」
私は胸の前で包み込むように手を広げ、目を瞑り自分の中にある感情をその上に乗せるように注ぐ。
「ひまり……っ!!俺が必ず守る!!だからっ!!!」
私は振り返り家康の声に向けて微笑む。
「……ありがとう。でもね」
貴方にもう一度恋をしたいから。
心の中でそう呟く。
すると小さな光が出てきて外気に晒された瞬間、目も開けていられない程の眩しい輝きがそこに集まり……一輪の花が現れる。
「……待って!!!」
その声に反応して、思わず差し出した手を一度引っ込めた。
今の声………?
もしかして……ある人の姿が頭に浮かび、私は口を動かす。
「お母さん!!」
「ふふっ。私も見えないって事は愛して貰っている証拠よね?」
手の上に優しい温もりが届く。
すると花がより一層綺麗に輝き光を増す。
「わ、……たしの心も使いなさい。……こ、れが……本当に……さ、いごの母親としての贈り物だから」
「………娘に二度と会えない罪を与えたはずだ」
その言葉に私はしゃがみ込み、手探りで姿を探す。
「お母さん!!」
「……い、いの。わ、たしも信じて……みたかっ……たから」
貴方たちの愛を……。
「……お、かあ……さ、んっ。ど、うしてっ」
私は必死にまだ微かに残る温もりに手を伸ばし、必死にお母さんの状況を知ろうとした。
「ご、めんね。……記憶を、消そ……とし……お…い、て…きてしま……なさい」
私は首を何度も横に振る。
「ほ、んの……わずか、…で…もあな、た……の家族……と……すごす事が…でき、て」
幸せでした。
嘘一つ感じない言葉。