第133章 あなたにもう一度第三幕(20)
「家康!!!」
急いで音の方に向かおうとする私の手。
それを神は掴みあげ、私を引き寄せた。
「先程、触れた分の罰だ。あまり罪を重ねると後々、後悔することになる」
「悪いが、俺らも居るからな」
「一応織田家の大事な姫だからな、返して貰う」
秀吉さん、光秀さん。
「でかいけーき食わせる約束してるからな」
「家康様と仲良くしてる所、沢山知って貰わないといけませんから」
政宗、三成君。
「俺もまた団子屋連れていかねーと、いけないしな」
「明日はクリスマスパーティーする予定だしね」
幸、佐助君。
「神が相手だろうが手加減はしない。何しろ、俺は天下人だから……な」
そして信長様。
(皆んなの声……)
「さっきは、ちょっと油断したけど……ひまりを渡す気なんて全然ないから」
(本当にありがとう)
ぎゅっと拳を作り、そのまま地面に向かって降ろす。神に掴まれた手を無理矢理、振り解いた。
私は自分の胸に触れ……
その中にある自分の心にも触れてみる。
天女でいる限り、逃れられないのなら……
今の「生」を断ち切る必要がある。
(訴えだけでは、無理なのは解ってたけど……)
伝えたかったのは私の心。だから、時を止めて天女に戻る時間を稼いでいた。
ーー心が尽きてしまった天女は花に生まれ変わる。……けれど尽きる前の心が強ければ強い程、真実を宿す花に生まれ変わると言われているのよ。
ーー真実を宿す花?
ーーそう、神が唯一認めるモノ。
でも咲かせるには「真実の愛」が必要なの。
その覚悟をして、ここに来た。
家康を信じて。
(こんなに早く来てくれたのは、予想外だったけどね)
思わず溢れた笑顔。
「………諦めろ。神に人間の武器など通用しない」
「また、金縛りか!!」
「身体が動かっ……」
「く……そっ……」
私は神の真正面に立つ。
「……皆んなの呪縛を解いて下さい」
代わりに、私の心を差し出します。
覚悟を持ってそう言い放つ。
「……やはり、最初からそのつもりだったか。良いだろう。ただし……今まで『真実の花』を咲かせた天女はいない」