第132章 あなたにもう一度第三幕(19)
風はない。ただ夜空に浮かぶ満月がまるで雪のように冴え冴えと白く光り、凍てつくような寒さを漂わせる。
野原に辿り着いた俺達は足を止め、
その場の光景を見て目を疑った。
石碑の前で月光を浴び、
神秘的な佇まいをした一人の男。
(あいつが……)
不思議な美しさを放ち、あたりの空気を全て取り囲むように雰囲気を撒き散らすような、後光の神秘。月色の長い髪で隠れ、ここから顔は見えないが……金色の輝く衣姿と佇まいを見て、あれが「神」だと瞬時に悟った。
そしてその足元に両膝を付き、神を見上げる……一人の姿。
ひまり!!!
(っ!!!)
その時に襲った異変。
俺達は全員、顔を見合わせる。
(声が出ない………!!)
それだけじゃない。
まるで全身が麻痺したように動かない。まるで上から何か強烈な圧がのし掛かり……グッと地面に押さえつけられたような感覚。それに抗えずに俺達はその場で崩れ落ちる。
(何だ……これ……)
辛うじて片膝を付き支え、視線をひまりに向けた。