第132章 あなたにもう一度第三幕(19)
「家康さん」
ーー……ひまり?
目の前に現れた、来世のひまり。
俺はゆっくり近づいて尋ねる。
ーー何で、ここに……
「ふふっ。神様が家康さんを連れて一緒に未来の世界で暮らしたら、全部許してくれるって」
ーー……どうゆう事?
ひまりはクマの縫いぐるみを抱き、嬉しそうに笑って、俺の腕に自分の腕を絡ませたかと思えば……。
「だ、か、ら……私ともう一度始めよう」
顔をグッと近づけた。
「未来なら、平和だし。普通に週末はデートしたり、沢山一緒に過ごせるし、夜だっていっぱい愛し合えるよ?ね?だから、一緒に行こう」
だって、
どんな私でも大好きなんでしょ?
俺を見上げるひまりの瞳が潤む。
「私なら、ずっと貴方を見ていられる。どんな時も側に居れる」
見てくれる……俺を。
俺の側で。
もう一度、平和な世でひまりとやり直せるかもしれない。
でも、俺が見ていて欲しいのは……
側に居て欲しいのは……
天女の時のひまり。
未来から来た時のひまり。
どっちのひまりも、
俺の閉じた心を開けた。
捻くれ者でどうしようもない、
天邪鬼な俺に恋をしてくれた。
ーー……俺のどこが好きなの?
問いかける。すると、目の前のひまりは少し首を傾げ笑った。
「優しくて、大人で、素敵な人だから」
違う。
このひまりじゃない。
俺が愛しているのは……
例えどんなに姿を変えても……
俺のひまりは、一人だけだ。