第129章 あなたにもう一度第三幕(16)
ーーまさか下界に降りてたなんて……もう、その方とは二度と会ってはいけません。
ーーどうして!どうして好きになってはいけないのですかっ!?
ーーあなたは天女であり、天界の姫です。いずれはあなたは神の……
ーー嫌です!私は彼にしか触れられたくありません。彼以外なんて……どんな天罰を受けるよりもそれが一番辛いのです!
ーーいずれは神との交わりは逃れられない、宿命……あなたが天界の姫である以上、それが運命なのですよ!
ーーでも、契約には私の意思がなければ成立しません!もしその時が来ても、絶対に受け入れません!
ーーあなた、そんな事したら……心の花を……。
私はそっと自分の胸に手を当てる。
天女に戻ればもう二度と家康に、触れて貰えない。また、交わってしまえば今度こそ神は、家康の命を奪ってしまう。
(抱いて貰えるのは昨夜で、最後だった)
目覚めた時から感情を押し殺して、
代わりに閉じ込めた想いで心を育てた。
家康への想い。
子供達への想い。
信長様達への想い。
母への想い。
大切な人達への想い。
きっと、強く綺麗に咲いてくれるはず。
ーー………初めて見た。
(家康……あの花はね、天女の心が尽きてしまった時に咲く、花なんだよ)
昇りはじめた月を見上げる。
神に私の「真実」を……
必ず、証明してみせる。