第129章 あなたにもう一度第三幕(16)
俺はゆっくり時姫を下ろし、口を手で覆う。
「あと確か……時姫の花飾りは、くりすますぷ?……何とかと言っておって」
「もしかして『くりすますぷれぜん』そう言ってたのか!?」
「確かにそう言っておった!」
竹千代は元気良く頷き、父上や皆んなの分も用意しておる!そう、話した。それを聞いた俺の心は波立ち騒いで落ち着かなくなる。手に汗がじわりと広がった。
「ひまりはどこに!?部屋に居るのか!?」
「うん!少し前にこの姿の竹千代と時姫の姿見て、嬉しくて泣いておったから……」
竹千代の言葉を聞いた瞬間、今度は胸が張り裂けそうになりながら部屋に向かう。
なだれ込むように入った部屋。
「ひまりっ!!」
そしてひまりの姿の代わりに……
文机に置かれた、首巻き。
家康へ
必要だと言ってくれた月。
でも、今の私には……
一番辛いものでしかなかった。
夜なんて来なければ良い。
そう願わずには、いられませんでした。
私の家康への想いが、これで伝わりますように。
少し早いけど、
「めりーくりすます」
嘘つきな さんた より。