第129章 あなたにもう一度第三幕(16)
俺達が玄関に入ると出迎えた意外な二人の姿が、そこにはあった。
「父上!おかえりなさい!」
「竹千代、どうしたんだ?袴なんて履いて」
へへっ、と得意げに笑う息子に「良く似合ってる」と、だけ言って頭にポンと手を置く。
「時姫っ!かわ………!」
その隣で花の飾りを付けた可愛らしい娘を見て、思わず抱き上げようとした時……どっかの馬鹿が先に、抱きかかえ……。
「時姫様、何て可愛らしいのでしょう!もうまさにひまり様の瓜二つでは、ありませんか」
「……三成。後で後悔したくなかったら、今すぐその汚い手を離せ」
俺は引っ手繰るように時姫を三成から奪い、頬をすり寄せる。
「親馬鹿してる場合かよ!それより竹千代、格好良いじゃねえか!」
幸村がそう言うと、竹千代は嬉しそうにくるっと一周回り、
「母上が明日の祝いに仕立ててくれた!」
「ひまりが?」
「前、母上が出掛けた時に約束した贈り物はこれだと……ちゃんと笑顔で待っておったから、羽織も一緒に仕立ててくれた!」
(え………前って……)
「ち、ちうえ……こえ!」
時姫はいつもぶら下げていた巾着の中から、見覚えのある物を取り出す。
「これ……ひまりの」
小さな手の上に乗った耳飾りを見て
片方は、時姫が持っていたことを知り……
「お、とろい」
「時姫、おとろいじゃなくてお揃いと、母上は言っておっただろ?」
竹千代は自分の懐からもう片方を取り出し、自分は今日ひまりから貰い時姫は前に貰っていたことを話した。