第129章 あなたにもう一度第三幕(16)
竹千代に明日の五歳の祝いに作った衣装を着付け、手探りで時姫の髪を私のように片方だけ少し編み、お土産に買って来ていた花飾りを付けてあげる。
つまみ細工の小さな綺麗な花は、時姫にきっと似合うと思った。
「母上!ありがとうございます!着心地も良いし、格好良い!!」
「ふふっ、ほんと父上にそっくりだね。凄く素敵だよ!」
「あーとー!」
「ふふっ、どういたしまして」
(見てみたかったな……)
そう思った瞬間……。
はらはらと伝う生暖かいモノ。
「……は、はうえ。何故泣いておるのだ?どっか痛むのかっ!?」
(え………)
竹千代の手が私の頬を伝う涙を、一生懸命拭いてくれる。
「……ご、……めんね。とて……も立派に見え……るか、ら嬉しく……て」
泣いてるのも気づかないなんて……。
「と、き……姫も、凄く可愛いから……驚い……ちゃって。ごめんねっ。……急に」
私は小さな体を引き寄せ、その肩に顔を埋める。今は笑顔でいたい。そう強く思い涙を引っ込めた。
(ごめんね。ありがとう。)
私を母親にしてくれて、こんなに強くしてくれて本当にありがとう。
頑張ってくるからね。
一生懸命伝えてくるからね。