第126章 あなたにもう一度第三幕(13)
「……見えなくて不安な分、沢山話そ。俺はどんなひまりでも側に居てくれたらそれで良いから」
真剣な声が届く。
いままでの二人の想い出は、俺が全部覚えているから。って……。
「……絶対、忘れたりしないから」
(駄目……)
(そんな事を言われたら……)
「………子供も二人で育てよ」
その言葉に、
我慢していたモノが込み上がり……
「この組紐みたいに、絡まって交わって、繋がって……最後は一つの家族に成れるように」
すれ違いや喧嘩も必要だし。
寄り添うのも必要だし。
そうやって、何回も離れて結ばれて……
「………なんか、俺達に似てるしね」
私は家康の胸に顔を埋める。
「ひまり……?」
私、最後まで諦めないから。
絶対に運命も契約も受け止めたりしないから。
私らしく、駄々こねて泣きじゃくってどうしても家康と子供達と一緒に居たいって伝えてくるから。
「……っ、……あ、りがとう」
突然泣き出した私に、家康は慌てて……どっか痛いのか、やっぱり無理をさせたのかと心配そうな声が聞こえ、私の目に家康のオロオロする姿が浮かぶ。
もし……もし、私の姿が変わっても……本当の姿を知っても……愛して欲しい。
眠る時間さえもどかしくて、いままでの想い出を教えて欲しいとお願いしたら……
「………話すと大分長くなるけど。そもそもどっちの出逢いから話したら……」
元々、口数の少ない家康。
それでも少しずつ話をしてくれた。
「いつ、私を好きになったんですか?」
「…………それだけは、忘れた」
天女の時の私。
未来から来た私。
どっちの時もいつ好きになったかは、相変わらず教えてくれなかったけどね。
いつか聞けたら良いな。
いつか………。