第122章 あなたにもう一度第三幕(10)
俺と幸村は竹千代を送り届け、その事を話そうとしたが……家康公はまだ戻ってはいなかった。
「留守なら仕方ない。明日にでも話そう」
「まぁ……適当に話合わせただけかも、しれねーしな」
確かに幸村の話も一理ある。
そんなに急ぐ用事でもない。そう思い、明日にでも出直そうとその場を後にした。
「それより、佐助。お前、今朝気づいたか?」
「………あぁ。彼女、恐らく俺達も見えていなかった」
今朝出向いた時に感じた違和感。幸村も気付いていた事に驚きつつ、俺は眼鏡を掛け直して腕を組む。
(家康公や子供達の姿が見えない聞いていたが……)
「物や風景は見えるみたいだけどよ……」
きっと、辛いだろうな。
幸村は空を見上げながら、珍しくしんみりとした声でそう呟いた後。
「明後日のぱーてぃーか、宴か知らねえけど、盛り上げてやんねーとなっ!」
張り切ったように腕を捲し上げ、ガッツポーズを決める。
「………そうだね。今から安土城に行って最終の打ち合わせしに行こう」
「だな!あの赤鬼、さんた衣装の見たらきっと驚くぜ?っ……くっ」
幸村はどんな想像したのか、肩を震わせ一人で笑い出し、俺達は城に向かった。