第119章 あなたにもう一度第三幕(7)
(これ…!!!)
思わず佐助の方に視線を向けると目が合う。
「……針子の方や職人さんにお願いして作成して頂きました。少し見た目は違いますが良い出来です」
俺は縫いぐるみを自分の目線まで持ち上げ、じっと見る。間違いなくクマの縫いぐるみだ。
ーーわぁっ……クマの縫いぐるみ!!ありがとうございます!!
あの時のひまりは、本当に嬉しそうに笑っていた。
もう一度、あの笑顔が見たい。
なら……俺に出来ることは一つ。
「……解りました。俺も手伝います」
「鼻から断る権利などない。さっさと木の飾り付けでもやれ」
「私もお手伝いさせて下さい。その日は丁度、竹千代様の誕生の日にもなりますから盛大にお祝いして……」
「それなら三成、俺の手伝いに来い。佐助の言うちきん、には鳥が必要だからな」
お前、捕まえて来い。
政宗さんの言葉に、三成の顔が一瞬引き攣ったように見えたのは放っておいて、俺はツリーを思い出しながら飾り付けを始める。
竹千代の誕生の日……。
ーー……竹千代が五歳を迎える前夜、きっと綺麗な月夜になるでしょう。
天女が最後に呟いた言葉。
俺は胸騒ぎを掻き消す様に……ひまりの笑顔だけ頭に浮かべてくりすますぱーてぃーの準備に没頭した。