• テキストサイズ

イケメン戦国〜天邪鬼な君へ〜

第117章 あなたにもう一度第三幕(5)




「……いえ、教えて頂いてありがとうございます」



そして再び二人で月を見上げた時。






シャランッ……。






懐かしい音が届く。



今度は驚かせないように少し髪に触れてもいいか尋ね、ひまりは暫く悩むように俯いた後……俺の方に体を向け、コクリと頷く。



指先で甘い香りがする髪を掬い……出来るだけ優しい手つきで、そっと耳に掛ける。



シャランッ……。



耳元で揺れる耳飾り。
反対側の髪も耳に掛けてみるが……




(あれ……片方しか付いてない)




記憶がなくても身に付けてくれていた。それは正直嬉しかったが、もう片方の行方が無性に気になる。



(失くしたとは言ってなかったし……)



自分に都合が悪い事でも正直に話す性格のひまり。その事を黙っている筈はなかった。


「…………どうか…されました?」


「……髪……綺麗だと思って」



恐らく、今聞いても解らないだろう。

そう思い俺は髪を指先に絡ませ、少しでも触れれる今の時間を噛みしめるように、まるで花弁に口づけを落とすようにそっと唇を寄せた。






この時、ひまりは



どんな気持ちで、



俺に触れられて



何を考えて……



目を伏せていたのか……



知るのは



もう少し先の話だった。





/ 636ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp