第114章 あなたにもう一度第三幕(2)
唇を離した後、
真っ直ぐに視線を合わせ告げた。
ーー………あんたが、好きだ。
すると大きな瞳が更に大きくなり……透き通る肌がほんのりと染まるのを見て、俺は手を取り真剣な表情で見つめる。
ーーだから、これからも会って欲しい。
ーー………私も、わ…たしも同じ気持ちです。でも…………今は受け取れません。
目に涙を溜め首を横に振り、今はどうしても無理だと言われ……理由を何度聞いても、答えなかった。
でも必ずまた、会いにくるから。
だから、約束をさせて欲しいと。
ーーもし、時を超えるぐらい遠くに離れてしまっても……もしも、この気持ちを見失ってしまっても……例え、この日の記憶が消えたとしても……
私は必ず、
「あなたにもう一度、恋をする」
その事を、約束します。
涙を流しながら、ふわりと笑う姿にそれ以上俺は何も言うことが出来なくて……俺はただ口を紡いだ。
「だから、今はその気持ちを忘れて下さい。……必ず、会いに来ます」
その言葉を聞いた後、俺は光り輝く花をもう一度見て……ある贈り物を送る。
ーー……解った。なら、一つだけ贈り物をさせて欲しい。この花は冬の月が本当に綺麗な夜にしか咲かない……幻の花。
まるで、あんたみたいだから……
この花の名前を……
あんたに贈らせて欲しい。
「ひまり」
再会する時の証になるように、希望を込めて名前を贈った。
ーー家康様……ずっとお慕いしております。
ーーひまり……俺もずっと愛してるから。
何度も口づけを交わし、俺達は再会を誓った。
そして次の日。
俺は命さえ危うかった高熱を出していたことを、見舞いに来た信長様から聞き、意識がはっきりする頃にはただ誰かが夜になると現れ……その誰かを抱いた。
それだけしか覚えていなかった。
もともと執着心が無かった俺は、特に気にすることもないまま……。
約三年の月日を経て……
約束通り
ひまりは
本当に時を越え……
俺達は出逢った。