第112章 あなたにもう一度第二幕(11)
「わぁっ……クマの縫いぐるみ!!ありがとうございます!!」
満面の笑顔を向けられ、思わず安堵の息を吐く。実は内心少しひやひやしていた。子供っぽいかと心配だったが、ひまりが出逢った時に落としたクマのキーホルダーを見て……
ーー私はね、大きいクマのぬいぐるみとか可愛い洋服だったかな?
まだ好きかもしれないと思い……
佐助に用意して貰っていた。
「可愛い〜あっ!ちょっと待って下さいね!」
ひまりは嬉しそうに抱きあげたまま、自分の荷物からある物を取り出す。それから背伸びをして、取り出したマフラーを俺の首元にかける。
「………これ」
「ふふっ、月並みのプレゼントですが家康さんいつもしてなかったから、一応私が編んだマフラーなんですよ?」
首に巻かれた、
俺好みの辛子色のマフラー。
肌触りも良いし、何よりも暖かい。
「家康さん!メリークリスマス!……へ」
そう言って笑うひまりを、今度は正面から抱きしめた。
(……この時代だったら、ひまりに我慢させなくて済んだのに)
戦に行けば長い間、不安な気持ちで待たせてばかりいたし。俺の首を狙う奴らに何かされないか心配で……あまり自由に出掛けさせてあげられなかった。
「……家康さん。実は……わたしっ……んっ!」
もぞもぞと腕の中のひまりが動く。俺は言葉の先を遮るようにして何かを言われる前に口を塞いだ。
その先の言葉は聞いてはいけない。
咄嗟に、そう思った。
(ごめん……)
でも俺はどんなひまりでも、
好きな気持ちは変わらないから……。