第108章 あなたにもう一度第二幕(7)
ガチャリと音を立てた扉。
「ただいま〜。……あれ?おばあちゃん?」
ひまりは玄関のドアを開け、俺を中に招くと祖母の姿を探す。
前に送り届けている時に母親は幼い頃に行方が解らなくなり、父親は病気で他界していて、今は祖母と二人暮らしだと言っていた。
(……まさか、両親が居ないとは思わなかった)
元の世に居た時もその話はしなかった。
「あっ!いけないっ!今日おばぁちゃん老人会の寄り合いで帰り遅くなるからって言われてたんだ!」
机の上に置かれた小さな紙を見て、ひまりは声を上げる。
「……なら、俺。帰る」
流石に誰もいない家に上り込むのは不味いと思い、玄関に戻ろうとする俺をひまりは慌てて引き止め、声を出す。
「迷惑じゃなければ、食べて行って下さい!一人で食べるのも、淋しいので……」
服を掴まれながら、上目遣いでそうお願いされ。そんな姿に俺が断れるはずもなく、それなら祖母が戻る時間までと決め、案内された食卓部屋に行く。