第107章 あなたにもう一度第二幕(6)
「……なら、その日。迎えに行く」
俺はスーパーの袋を右手に持ち替え、自然といつも繋いでいた方の左手を差し出す。
「本当ですか!嬉しいっ!」
「十時ごろに行くから」
「はいっ!!」
元気よく返事をしながら、はにかむように笑うひまりに煩いぐらい心臓が騒がしくなり……どんな姿のひまりでも、眩しくて可愛くて触れずにはいられなかった。
一刻も早く「真実」を見つける必要がある。本当はこんな時を過ごす時間さえも惜しいはず。
それでも、もう少しだけ隣で笑うひまりと居たい。そう思ってしまうのは、罪なんだろうか。
「家康さん本当に優しいですね!」
荷物を持つ俺の姿を見ながら、差し出したままの手にひまりはぎこちなく自分の手を絡ませる。
「それは……誰かさん限定」
微かに熱を感じる目元。
俺は夕陽の所為にして、誤魔化しながら歩いた。