第105章 あなたにもう一度第二幕(4)
肩に掛けられた羽織。暖かくなった理由に気づき、家康に返そうと立ち上がる。けれど次の瞬間、足元のバランスを崩してしまい身体がぐらりと傾く……。
(わぁっ!!)
ふわっ。
「……っとに」
転ぶ寸前。
柔らかい感触に支えられ、
そのまま……
「……ほんと、危なっかしい女」
家康の腕の中にすっぽり収まる。
「す、すいませんっ」
足に力を入れ自分で立とうとした時、スラリとした綺麗な指が目元の涙を弾くように触れ……冷えた体に熱が走り、絡んだ視線にトクンッと胸が鳴る。
「あんた、昨夜居なかったから。てっきり逃げたのかと思った……」
「え………?昨夜?」
「夜だし、雨降ってたし。まぁ、別にあんたがどこ行こうが勝手だし、全然気にしてないけどね」
家康はそう急き立てるように話した後、私の身体をそっと離す。
(これは……心配してくれたって事だよね?)
久々に露骨な家康の天邪鬼な姿を見て、思わず懐かしい気分になる。