第104章 あなたにもう一度第二幕(3)
一瞬でも可愛いなんて思ってしまった。そんな自分が間違いだった。
「次。……どうすんの?」
私の髪に触れ甘く囁く声は、男の子なんかじゃなくて立派な男の人。しかもお年頃の思春期が足されていて……かなり意地悪度が増してる。
「ま、まって!!待って下さいっ!///」
胸を手で押し緩んだ隙に、腕の中から抜け出す。
「はあ……あんたほんと、馬鹿?自分が何の為にいるか解ってんの?」
往生際が悪い私に家康は呆れた声を出し、しかめっ面を浮かべる。
「だ、だってまだ仲良くなってませんし、そ、それにっ……!!」
一番大事な事忘れてた。
(この家康は家康だけど、家康じゃないかもしれない!!)
頭の中がパニックなる。
って事は……。
もし、シちゃったら……浮気になる……?ならない……?でも、シなかったら元服迎えれないし……。
(どうしたらいいの!!!)
泣きそうになりながら、必死に考えるけど良い案なんて何一つ浮かんでこなくて……咄嗟に出た言葉。
「ま、まずは書物に書いてある順番通りにゆ、ゆっくり実践していきますから!!」
段階を踏みながら時間を稼ぐしかない。
(その間に戻る方法を絶対に見つけないとっ!!)
私は手を前で組み懇願する。
「……別に、俺も全く知らないわけじゃないんだけど」
まぁ……好きにすれば?
どんな家康でも大好きな私は……甘い誘惑に勝てる?勝てない?
家康が寝静まるのを確認してから、
こっそり私は部屋を抜け出す。
眠ってしまったら、またすぐに夜が来る。
その前に……私は僅かな可能性を信じて、月に向かって白い煙をあげた。