第104章 あなたにもう一度第二幕(3)
「う〜ん……と、なるとやっぱり未来には繋がらないのかな……」
「………あんた、さっきから何一人でブツブツ言ってんの?気でも可笑しくなった?」
「へっ………!え、えっと!ち、ちょっと考え事をっ!」
知らない間に口から漏れていたみたいで、私は慌てて誤魔化す。そんな私の様子を見て家康は訝しげに目を細めた後、視線を横に逸らした。
「……まぁ、俺には関係ないからどーでも良いけどね。それより、早くして」
冷たい口調でそう言われ、私は再び手を動かし赤い血が浮き出る肩を、包帯で巻きつける。
(どうしたら剣術の稽古で、こんな怪我するんだろう……)
手を動かしながらそれとなく、聞いてみるけど相変わらず素っ気ない返事と態度しか返ってこない。
家康に会えるのも夜だけだし、仲良くなろうと思って色々と話しかけてみるけど……。
若いからかな?
かなり手強い。
進展が特にないまま月日だけが過ぎていってしまう。
(それにしても……)
私は巻き終わるのと同時に、無意識に家康の古傷に触れ、大怪我を負った時のことを思い出す。
(この時から、沢山怪我してたんだ)
すると、家康の身体が微かにピクンッと跳ね凄い勢いで私から離れた。
「いっ、いきなり人に触んないでくれる///」
「えっ……?」
ちょっと触れただけだよね?
そんなに嫌だったのかな……。
微かに目元を染め、毛を逆立てる猫のように私を睨みつける家康。
それを見てある事に気付く。
家康がいつも照れている時に見せる姿に似ていることを。
(ふふっ……なんか、可愛い〜)
その新鮮な反応に思わず、顔が緩んでしまう。