第101章 あなたにもう一度(17)
寄添いながら野原に辿り着いたのは、月が夜空に高く登った頃だった。
今の時期、花畑はすっかり姿を消し時折吹く木枯らしが頬に吹き付ける。
「……夜は、冷え込むね」
少しでも暖を取ろうとしたのか、自分の体を手で包むようにして腕を擦るひまり。俺はさっき城に取りに行った羽織を、その華奢な肩に掛け……
「これなら、寒くない?」
後ろからひまりの身体を包む。
「で、でもっ、これだと家康が寒いよ!!」
羽織を返そうと身体を動かすひまりに、俺は後ろから軽く口づけをする。
(寒い癖に、すぐそうやって人の心配ばっかりして……)
「いいから。こうしてたら暖かいし、約束したらすぐ城に戻ろう」
少しでも早く子供の元に帰れるように、ひまりが宿で借りた馬はさっき使いの者に預けた。
(それに城に戻るまで駄目だって、お預けされたし)
仲直りした途端、我慢できなくなって押し倒したら子供達に謝るまで駄目だと、全力で断られ部屋の外に逃げられてしまった。
(こうなったら、寝ずに馬を走らせて一刻も早く……)