第99章 あなたにもう一度(15)
「……竹千代と何を約束したのかは、内緒なんでしょ?」
「……内緒と言うかひまりに関係してるから、ちょっと言いにくい……」
「えっ?私のことなの?」
家康は気まずそうに顔を横に向け、拗ねた声で絶対に笑わない?と言って視線だけ私に向ける。
(笑うような約束なんてあるのかな?)
私は少し悩んだ後、頷く。
「あいつが教育係付けるなら、ひまりをやっぱりお嫁さんに欲しいって逆に条件つけてきた」
「えっ……!?」
「立派になるまでひまりに余り会えなくても、ちゃんと我慢するからって。だから……お嫁さんには絶対あげないけど、その代わりひまりの秘密を全部教えるからって約束したんだ」
「……私の、秘密??」
「ひまりが来世から来た事はいつかは話そうと思ってた。ただ、まだ幼い竹千代が受け止めるのは難しいからね」
(だから、立派になったらって言ってたんだ)
てっきり、もっと深刻な約束を想像していた私は思わず吹き出してしまう。
「……笑わないって約束したけど?」
「ぷっ……だ、だって…!!」
悩んでた自分が馬鹿みたい思えて……。内緒にされて不安で堪らなかったのに、まさか二人が自分の事を大切に思ってくれていた事を知り、一気に色んなことが吹き飛んでしまった。
クスクスと胸の中で笑う私の髪を、家康は指で掬い耳にかける。