• テキストサイズ

イケメン戦国〜天邪鬼な君へ〜

第98章 あなたにもう一度(14)




「………ひ、っく……っ。ご、めんっ……な、……さ、い」



耳元で名前を呼んだ瞬間、ひまりは大きく肩を震わせしゃくり声を上げながら何度も謝る。




「何でひまりが謝るの。……悪いのは全部、俺なのに」



俺は回した腕に力を入れ、隙間なんて何処にも無いぐらい身体をくっ付けた。




「だっ……て、母親なっ、のに……お、い……て……ひ、くっ…出て…」




ひまりは声を詰まらせながら自分を責め、ぽろぽろと大きい雨粒の涙を流す。




「それは俺も一緒。幼い息子に城の主を任せて出てきたんだから……」





だからちゃんと仲直りして、
帰ったら二人で謝ろう。





そう言って、後ろからひまりの髪に口付けを落とす。



「い、えや……す」



ひまりは首を動かし、俺を見上げる。涙を溜めた大きな瞳が夕日で更に赤く染まっているのを見て、堪らず俺は腕を動かし正面から抱き締める。



「……ごめん。絶対辛い思いはさせないって、此処で約束した癖に……ほんと、ごめんっ」



ひまりは俺の腕の中で首を振り、震えた手を丸腰になった俺の腰に回すと、消え入りそうな声で……



「会いたかった」



そう言って俺の胸に顔を押し付けた。



(こうゆう可愛いこと、無自覚でやるからいつまでも俺は……)



ひまりにドキドキしてばっかりだ。




「……俺も。会いたくて、会いたくて気が狂いそうだった」




本当はもっと触れていたいけど、俺はちゃんと向き合う為に少し身体を離し、ひまりの頬に触れる。





「もう隠し事は一切しない。全部話す。だからひまりが知りたいこと、聞きたいこと、不安なこと……全部教えて」




俺の言葉にひまりは少しだけ表情を柔らげコクリと頷く。


そして再び胸の中に飛び込んだ。






この時期の夕暮れは時間にしたらそれ程遅くはなく、一先ず俺達は御殿で話し合い。

夜に再びここに訪れもう一度約束交わしてから、宿に向かうことにした。



手を繋ぎ歩き出す。


あの頃のように肩を並べ……


まだ沈まない夕日を眺めながら、


城下町を歩いた。




/ 636ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp